今回は、多分誰しもが1度は
広告で目にした事のあるあの漫画。
セブンティウイザンを読んだので
簡単な内容のご紹介と、
犬川の感想をお送りします。
結構長い事、スマホの
広告にのってたアレです。
70歳で初妊娠、産みます。という強烈なスタート
65歳で定年退職を迎えた夫、
江月朝一さん。
これまで仕事ばかりで、
お見合いで結婚した5歳年上の妻
夕子さんとの関係もどこかよそよそしく･･･
これからは2人でいっぱい旅行にいこう。
老夫婦2人での人生を楽しもうと
決心し帰宅したその日。
「妊娠しました」
という70歳の妻からの報告。
いやヤベーよ。どんな導入やねんと。
スタンドも月までブッ飛ぶこの衝撃
ってのはこの事だよ。
スマホ広告だと、大体ここのシーンが
切り取られて宣伝されてたんですよね。
そりゃそうだ。
タイトルにもなる位の超絶イベントだもの。
僕が広告業者でも、
宣伝するならこのシーンしかないわな。
誰だってそーする俺だってそーする。
けど、だからでしょうか。
正直に申し上げると、
この広告が目に入る度に嫌悪感が
沸いていました。
ワンシーンだけの切り抜きの情報しかない
ものだから、
キャラクターのバックボーンや
感情が一切不明な状態で、
- 定年退職して帰ってきた夫に
- スゲーしたり顔で妊娠報告する70歳
- しかも「は？当然産みますけど？」
っていうスタンス
もうね。またかよと。
いい加減広告業者は
鬱系とか、虐待系とか、
残虐表現とか、R-18系とか、
こういう系の広告やめてよと。
人のネガティブな感情を揺さぶって
印象を深めるのほんと勘弁して下さい･･･
って感じだったんですね。
しかも結構長い事広告打ってたので、
目に入る期間が長く
地味に犬川の精神に
ダメージを与えておりました。
何をお前、漫画の広告みて
勝手にダメージ受けとんねん知らんがな
って話ではあるんですが、
嫌なら見るなで通用しない頻度で
目に入ってきてたからね。
なにより現実がクソゲーだからこそ、
犬川は
漫画にこういう謎の生々しさは
求めていないタイプだったんですよ。
読み始めて変わる評価。スイスイ進む物語
そして、ある日この漫画がAmazonPrimeReadingで
無料配信されてる事に
気付きました。
決心しましたよ。
無料ならあえて読もうと。
僕は僕にダメージを与え続けたこの漫画に
正面から挑み、乗り越えて見せると。
何と戦ってんの･･･？？？
しかし、流石は人気の漫画。
ちゃんと読み始めると、普通にこの漫画の
世界に引きずり込まれたよね。
スイスイ進む物語に、
気が付くと時間を忘れて読んでいました。
読み進めるに連れて、
夫の朝一の立場だけじゃなく
産みますと決心していた妻夕子さんの
生い立ちや感情もしっかり描写され
いつの間にか僕は、
この夫婦を応援していました。
頑張れ夕子さん、しっかりしろ朝一！
まずお前煙草やめろ朝一！と。
その他、細かいところで
夫婦あるあるを連発してくれるので、
最初の悪印象はどこへやら、
小気味よく読む事が出来ました。
自分の偏見に気付ける漫画でもある
この漫画は、
ファンタジーやメルヘンじゃあなく
リアル現実よりの世界が舞台なので、
犬川はしばしば現実と比較しながら
読んでいました。
現実と漫画の比較なんてナンセンスだろ
という意見は封殺します。
やはり気になったのが、
70歳で妊娠・出産
という本漫画のメインテーマ。
大丈夫なのか、と。
母体の健康状態、子供の障害率、
世間の偏見など･･･。
漫画内でもそこは
しっかりと描写されるのですが。
フィクションだから
これで済むけど、
やっぱ現実で
こんな事起きたら無理でしょ･･･
自分らのエゴで産まれた
子供の将来はどうする、
子供が10歳の時アンタ80歳だぞ。
無責任なんじゃないか？
自分たちが居なくなったら
幼い子供はどうする？
養育費の準備は？
学校で確実に好奇の目で見られる
子供のケアは？
などど、現実ベースで考えると
犬川もしっかりと江月夫妻を
偏見の目で見る人間である事に
気付きました。
あれ？好奇な目で江月夫妻を見る
漫画のキャラに憤っていたはずなのに。
現実に起きたらと考えたら
結局僕も自分が嫌うキャラクターの思考
なのかよ、と。
そこから、僕は考えに考えました。
どうすればいいのか。
どういう考え方をすれば、
本当の意味で
この漫画を受け入れられるのか。
そして割とあっけなく気付いたんです。
ん･･･？どうにでもなるな？と。
というか、
ちょっとだけ目を引く設定なだけであって
こんな状態、現実でもよくある事だと。
何らかの事情で両親が亡くなり、
祖父母が育てる事になった
幼子もいるでしょう。
育ての親が無く施設出身であろうと、
立派な大人になった子は
沢山いるでしょう。
障害を持って産まれても、
それがイコール不幸ではないでしょう。
なにより、犬川自身がそうでした。
そういや自分が
そもそも孫に間違われるレベルの
親子の年の差じゃねぇかと。
それでも自分なりにフツーに生きて、
これまでやってきとるやんけと。
自分の中にある偏見に
気付けた事によって、
この漫画の中で
頑張る江月夫妻がよりリアルに思えて
心から寄り添って
応援できるようになりました。
自分の偏見を１つ破壊してくれた
この漫画に、感謝しています。
まとめ
今回の事で改めて思ったのが、
出会い方の大切さと
考え続ける事の重要さです。
どんな作品も、
出会い方を間違えればせっかくの
傑作が台無しになり得ます。
悪名は無名に勝る。とは言いますが、
作品の内容に触れる前に
忌避される事もあるので、
僕は作品との出会い方は素直な方がいいな
と思います。
また、フィクション作品であったとしても
その作品の扱うテーマについて
考える事はとても大切ですね。
ただ見て、聞いて、消費して終わりっ！
ではなく、
その作品から何かを学ぶ、教えてもらう、
得るものがあれば、
より良い時間を過ごせるんだな
と体感したからです。
今回その事を教えてくれた、
タイム涼介先生の
「セブンティウイザン(全5巻)」は
現在AmanzonPrimeReadingで
１～２巻が無料で配信中です。
(2020年9月14日現在)
また、その続編である
「セブンティドリームズ」は
コミックバンチWebで連載中です。
気になる方はチェックしてみて下さい。
きっと何か新しい発見があると思いますよ！
ここまで読んでいただき、
ありがとうございます！
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